型紙には忠実に・・・

手ハ刺しは手加減です。
 ハ刺しは手ハ刺しとルイスミシンでやる場合、どちらが優れているか。

 スピードならばミシンが何倍も速いです。(遅いよりも早いほうが良い)

 綺麗さは、どちらが優れているか? ラペルの裏を見ると、上手に細かく手ハ刺しをやる職人さんが居ますが、汚い職人さんも居ます。
 一方、ルイスミシンが汚いのは、あまり見たことはありません。

 老眼になるとマトメの種類は汚くなります。(どうしても・・・)

 ルイスミシンの勝利です・・・

 なのに、なぜ・・・手ハ刺しに拘るのでしょう。

 手ハ刺しはパフォーマンスではありません。
 理由があります。

 また、「芯づくり」のハ刺しと「ラペル」のハ刺しは違います。

 ラペルの切り端は揃えてあったのですが、表地が覗いています。
縦横ともに、芯地にユトリが入った証拠です。


 これが上下に往復するミシンには出来ないのです。(出来る方法はあります)

 手ハ刺しを、横に意識してユトリを入れている人は多いのですが、縦にもユトリを入れるように意識する事が大切です。(縦にユトリを入れないハ刺しなら、ミシンが綺麗で速いです)

 もう一つ大切なのは、ハ刺しを緩く進めることです。
 
 ハ刺しは、ユトリを入れて、ベタに戻します。その時、芯にユトリを溜めますがダンゴにならず消えないといけません。

 しっかりしたハ刺しですと芯の逃げ場がありません。芯は半分逃げる半分縮む、これでラペルの張りが出て、自然なカールが出来ます。(ユトリがないと糸が締まり、アタリやピリのもとになります)
 この味を出すのが手ハ刺しです。

 最初に取っていたラペルの型紙に合っているか確かめます。狂いはありません。
 手ハ刺しは、細かすぎづ粗すぎず、強すぎず弱すぎずです。

 手ハ刺しの糸をカットしてもいけません。(型紙からはみ出た部分のハ刺しをカットするとバネがなくなります。はみ出さないように手ハ刺しは考えて進めましょう)