モノ言わぬモノには、素直に応えます。

「せ〜ん・ろ・は つづ・く〜よ〜ど・こ・〜ま〜で〜も〜」 って、感じで、縫製仕事も、慎重に、そして、気楽に、力を込めて・抜いて、気長に、縫製仕事は、続くのです。(好きだから出来る、仕事です)

今日は、ハ刺しから始めます。
ハ刺しの目的は、何か・・・
ラペルを、カールさせること! 表地と毛芯を、一体にすること! ・・・ですよね。

では、どのように「カール」「一体」に、するのでしょうか。
そこで、私は問いたいのです。
「ルイスミシン」(ハ刺しミシン)と「ハンド」の違いは、何でしょうか?
同じ結果であるなら、早い機械が能率的です。
「いや、少し柔らかく感じるし・・・」「お客様にハンドのアピールが出来るし・・・」
それも、一つの利点でしょうね。

私は、機械に出来ないハンドのハ刺しであるべきと考えます。

ルイスミシンは、横のユトリは確保できます。ハンドは縦と横にユトリが、入れられます。

立体のラペルにするには、縦横にユトリのあるハンドのハ刺しになります・・・が、マシンも、どんどん開発されますから、「立体のラペルになる、ハ刺しにしましよう」と言う事です。

このシツケは、衿先を引き上げています。衿先を引き上げることで、縦横のユトリを、毛芯に留める事が出来ます。


人差し指と親指の感覚が、ユトリの置き具合を左右します。



私は、糸に蝋引きをしません。(普通は、糸の滑りを良くするために、蝋をつかいます)
私は、蝋引きの糸を作るときに糸を伸ばすような気がするので、蝋引きはしません。
糸駒から糸を切り、針を回しながらハ刺しをします。(コツがいるので、お勧めは出来ません)


芯据え後に、横ポケットをつくります。(芯も一緒に、縫い割ります)


ポケット・ハ刺しが、終わりました。(フーッて、感じです)


ラペルにjテープを貼り、毛芯をカットしました。(ラペルのテープは、袖裏のミミです。)(フロントのテープは、袖裏のバイアスです。)

私のラペルは、柔らかくしたいので、ハ刺しの間隔は、荒くなく細かくなくを考えながら、均等なハ刺しにします。

ラペルの縫い代は、0.8cmにカットしています。


今日の仕事は、ここで終了です。

百万の服も、二十万の服も、工程は同じです。
生地の、特徴をつかむこと・・・これも同じです。

縫製に、値段の差は、ありません。
すべてに真剣です。

ものに対する心は、一つです。

それは、生地に対して「素直」だけです。(これまでに、痛い思いしてますから・・・)