「心を込めて」を、続けます。

「手ハ刺し」と「機械ハ刺し」のメリット・デメリットがあるのは、これまでにご説明したことがあります。

「手ハ刺し」は、時間を費やし、根気よくシュッシュッと、ラペルにハ刺しを進めていく・・・

工場の最新ハ刺し機械は、見学したことが無いので、分かりませんが、スーッス−ッ・・・と、片ラペルのハ刺しが、何秒で出来るのでしょうか?

綺麗で早い機械のメリットは、大きいと思います。
デメリットを考えても、縫製面では、あまり思いつきません。機械だからメンテナンスや、購入価格が気になりますが、大規模な工場であるなら、最新マシーンがダダーッと並んでいるのでしょうね。

でも、綺麗で早いミシンも、最新マシーンがダダーッも、私は羨ましくはありません。

それぞれに、魅力があるからです。

40数年、コテコテ同じことの繰り返し・・・
まずい箇所があれば、解き手直し・・・
これまでと違った方法を試みて、失敗したり成功したり・・・

工場縫製の、綺麗に揃った顔の商品に、ここまで出来るかと感心はすれど、羨ましくはありません。

泣き笑いの、一着縫いは「楽しい」からです。「楽しい」からには、大量生産と違った魅力があるからです。

手ハ刺しで、指の皮の痛みが、商品に伝わるから、楽しいです。
仕上がりの良し悪しは、自分が正直に出るから、楽しいです。
「嘘」が、通じないから、楽しいです。
正直に今日より明日を試みるなら、正直に返ってくるから楽しいです。

親指で毛芯を押し、人差し指で引く、そして、すくい縫い・・・
何度やっても、人差し指の皮をすくいます。

お風呂へ入ると、ふやけてしまって・・・


近頃、本縫いの仕事も少なくなり、アイロンタコも消えてしまいました。
(松葉杖タコが、出来ました)

体を使うことは、「楽しい!」です。

体を使えることに、感謝です。

健康に注意して、魅力的な「ものづくり」を、続けたいと思います。