「失敗」(その後)

失敗は、周りの人に大きな負担とご迷惑をおかけします。



ミスは、無いに越した事はありません。人間ですから失敗は当たり前と考えるなら、同じ失敗を繰り返すでしょう。



「同じ失敗を繰り返さない」事は、「失敗は成功の元」となり、一歩成長出来ると思います。



袖を「ザクッ!」と切ってしまった失敗は、私が初めて見習いとしてお世話になった(株)テーラータナカというお店でした。

今は、失敗をして怒られている所は、頭から消えてしまいましたが、マスターは、お客様に事情を説明し、生地を変えて納めたのだと思います。

ザクッと切り込みが入った袖は、カケツギをして、知り合いのお友達の服になりました。

見習いの私には、殆んど負担は科されなかったように思います。



その後の私の行いは、鋏が怖くなったのを覚えています。



仕上げをしている時、「コトッ!」と、背にキズを入れた失敗は、今もお勤めしている会社での出来事です。



この失敗は、入社して間もない頃だったのでしょうか。

今は、怒られている所は、頭から消えています。(虫の良い頭です)

受け持ちのカッターさんは、お客様に「職人が風邪をひき高熱で、休んでしまいました」「一日だけ、お待ちいただけますか」と、電話していただきました。

一日で解決できる目星があったからの事ですが・・・

この生地は、幸運にも背が取れる布が残っていたのです。私は、必死になって背を取り変えました。



失敗の原因は、ウマの底板が割れオガクズが少なくなって底板が露出していたから、アイロンの底が当たり「コトッ!」と音とともに、背にキズをつけたのでした。

その後の私は、道具の手入れを気にするようになりました。



失敗の積み重ねは、経験の積み重ね、成長させていただいた環境に感謝して、今日も一日を努めたいと思います。



今の私は、失敗した人の助けになれる、自分でいたいと思います。