職人同志
宿泊先の窓からは、小学校の運動場が見えました。
登校する元気な子供たちの姿を見ていると、自分の幼き頃と合わせたり、2人の孫が成長すれば・・・と、元気に通学できる喜びを感じてしまうのは、歳のせいでしょうか。
子供たちは、昨夜の地震も強風も全く気にならなかったようです。元気に走り回っていました。(私は、寝不足で、07時までボケ〜ッでした)
08時には、朝食が用意されます。中さんに料理をしていただく最後の献立です。
大盛りの御飯とお味噌汁・出汁巻き玉子に昆布の佃煮・カリッと漬物、(見れば分かる)(そうでした) 遅れて、丸鰺の開きが、焼きたてで出てきます。(これも見れば分かる)(そうでした)もう一品、焼きノリ!
「いただきます!」
昨夜は、満腹だったのに、コーヒーまで、美味しくいただきました。
香り高いコーヒーは、朝一番に豆を挽いているそうです。(美味しいです)
「中さん、ご馳走様でした!」(後ろ姿が、なんとなく・・・)
20数年守り抜いた厨房は、今もピカッピカに輝いています。
中さん「私なぁ63歳やネン」「女房も、ちょうど今年が定年やっテン」「ええ時に働かしてもろタワ」「しばらく失業保険もろて、ゆっくりするワ」「けどな・・・」
「この厨房見てヤ」「ピッカピカやろ」「冷蔵庫は故障したこと一回もないネン」「でもな、ひと月、ほったらかしたら、もう使えんでぇ」「厨房は、生きもんや」(職種は違えど、職人同志・・・)(よう分かります)
建物も厨房も生き物です。
綺麗に管理された施設が、これからも活かされてほしいと願うのは、職人同志だからでしょうか。
最後の夜は、303号室でした。
「寝られませんでしたが、部屋のせいではありません」「地震と強風のせいです」
最後の夜、ぐっすり眠る夜ではありませせんでしたが、忘れられない思い出が残りました。
中さん「よう来てくれたな」
私「沢山お世話いただき、ありがとうございました」
昨夜、「食事は八分目に食べといてや」「用事が終わった後で、一盃やろな」って約束は、私のクシャミ連発で果たせませんでしたが、職人同志、また会いましょね!
男の一人旅でした。.