「タッタカタ」

「タッタカタ〜」「ッ!」「タッタカタ〜」となれば、ファンファーレなのですが、仕事は「タッタカ・タッタカとやる」と自分に言い聞かせています。



「早く綺麗に!」が、仕事の鉄則だと思っています。



私の縫製は、無駄を省く、・・・縫製の全てに意味があると思っています。

丸縫いで、一着のジャケットを仕立て上げるには、平均40時間が必要でしょうか。丸縫いは、無駄の多い作業です。でも、自分では「タッタカやっている」と、思っています。



仕事が幾らでもあったバブル時代、スピードを競って縫い上げましたが、私は、納得のいく仕事を通しました。つまり、トロイ(のろい)仕事を通したわけです。



職人として沢山経験が出来た事は、貴重な財産となりました。700万円のビキューナコートから高価な服まで沢山縫えた経験は、仕事に対する大きな自信となりました。



「高価な生地に鋏を入れるの、緊張しませんか?」って、よく聞かれますが、緊張せずにカット出来るのも、経験のお陰なのです。



「プロは、失敗がない」「プロには、失敗が許されない」「プロは、失敗を活かせる」

人間は、パーフェクトが無いので、完璧はありません。経験として積み重ねる事で、研ぎ澄まされるもの、衰えるもの・・・そのバランスは、一職人の美として製品の形に現れると思います。



私は、若い人に、何を伝えるべきか・・・私の経験を伝える事も大切ですが、「経験を積み重ねなさい」って事を、一番に伝えたいのです。



「タッタカタ」の意味は、現場にいけば「早く綺麗に」が、求められます。

「タッタカタ」の意味は、私がいつまでも側に居られないと言うことです。



あと、一年・・・バトルしましょうね(^−^)

あなたのファンファーレを、聞くために!