想い



私は、「キッチャネ仕事をしなさい」と、生徒さんに言います。



きっちゃね仕事とは、人から見られて汚い(下手)仕事だと、言われる事です。

人様に魅力を与えてこそ、商売繁盛と言うわけですから、人様に綺麗に見せたいのは、よく理解できます。

それは、巷に溢れている服で十分だと、私は思います。



私は、2年間で、生徒さん達に、着やすい服・美しいシルエットになる服・・・の形を、つくり上げられる人になってもらいたいと思っています。



綺麗に見せたい心は、表に隠れた台芯や中身の処理が、綺麗で丁寧な作業であってほしいと思います。型崩れしない着やすい服になる作業を覚えてほしいです。



その意味では、クセ取りや地の目を正しく理解する事が重要です。パターンの線の意味を理解する事も大切です。(頭が痛くなってきましたか?)

手作業の訓練と、よい服を沢山見てください。



「きっちゃね」服こそ、意味があると思います。(衿・袖・フロントがピリピリなのに、肩にはピリがありません)
     
阪急オーダーフェアーより


オールハンドのジャケットです。(フロントの前端が開いているでしょ)



          阪急オーダーフェアーより




袖を通してみたかったです。




                阪急オーダーフェアーより



数年前ですが、阪急百貨店の催しオーダーフェアーで、クラシコイタリアの服が展示している事を知り、一目散に行きました。



「写真撮らせて下さい」と、係員にお願いすると、見張り付きで撮らせていただきました。「絶対、触ってはいけません」「国へ帰れば、博物館に展示しています」



私「ミシンがあるのに、なぜハンド100%ですか?」技術者「素材を殺さないためです」私「日本の着物の手縫いと同じですね」技術者「でも、今は100%の手縫いする職人はいないです」



私が、100%手縫いジャケットを、一度縫ってみたいと思った瞬間でした。