相手になってくださいね!

ただの職人が、先生と呼ばれ、若い人の前に立つ事は、心にリスクを感じながら努めています。



生徒さんの貴重な時間を、無駄にすることは、許されない・・・

今は一生懸命でも、卒業の時に、入学時に抱いていた紳士服への想いが崩れてはいないだろうか・・・

・・・それは、現実を知っただけ・・・

それが、私の心に重く感じます。

現実を跳ねのける力を与えたい・・・

それは、技能だけでなく、精神力・応用力・・・エネルギーは、個人から湧き出る力でない限り意味はありません。



数十年前のバブル時代に、敬遠された言葉があります。

「キツイ・キタナイ・クサイ」 3Kです。

紳士服職人も、「キツイ」のKが入っていますので、バブル時代に洋服職人から離れた人がいました。(私も、想いを持った一人です)

勿論、洋服職人になろうと言う人は、いませんでした。



そして、数十年が過ぎ、職人に興味をもたれる若い人たちがいます。

現実に打ち勝つ力は何かと言えば、自信です。

私が持てる自信は、こうすればこうなると言う、形に出来る自信です。



自信があるから、先生と言われ、生徒さんの前に立っています。



私は、「バトル」とか「ライバル」とか、意味不明な、言葉も発しながら、教室へ臨んでいます。



そして、今日も、意味不明な言葉を発します。

「キッチャネ!仕事も、形になれば芸術です。」


(阪急オーダーフェアー)より



生徒さんの、努力が形になり、自信へと繋がる道しるべとなれるなら、私は望むところです。



                                            (関塚君の穴練習)より



生徒さん達は、それぞれに努力を重ねています。各工程を丁寧に丁寧に練習しています。



いずれ、自信につながるでしょう。

私の望みは、それぞれの個性が形となり生活に繋がることですが、一番の望みは、現実に打ち勝つ力を持ってもらうことです。



まだまだ、道半ばです。



私の「バトル」は、続きます。



相手に、なって下さいね!.