第27回技能グランプリ   リアルタイムで行われています。

あぁ〜



今は、どんな、心境だろう。



もう、会場に着いただろうか。



体調は、万全だろうか。



忘れものは、無いだろうか。



・・・・。(今朝8時頃に思いました)







私が、初めて挑んだ1996年(第15回技能グランプリ)の洋服競技会場は、東京・大塚にある洋服専門校が会場でした。(当時は、幕張で開会式があり、競技会場は、職種別に別れていました)



96年3月2日の競技会当日は、雪が舞う寒い日でした。



事前の作業として、下前(右)・背・袖は、マトメも終わり仕上げています。

上前(左)は、ラペルのテープまで終わり、当日は、身返し据えから競技が始まります。



事前作業は、自宅の作業場、あるいは会社の作業場で、丁寧な丁寧な作業を進めます。前準備の作業が、大きく結果に繋がるからからです。



しかし、自宅や会社の作業場と、競技会場の環境が違うのに気付くのです。

自宅の湿度が高ければ、会場でピークの衿が跳ねるのです。会社の作業場が乾燥していたら、会場でピークの衿に、ピリが出てくるのです。



前準備と、当日の天候が運を左右するのです。



運を掴み、「段取り七分に腕三分」段取り良く、自分の実力を出しきった者だけが、栄冠に輝くのです。


(洋装・1996・5)より



次に私が挑戦した、第17回・18回は、幕張メッセに競技会場が変わりました。



天井の高い大きな競技会場には、紳士服だけでなく、婦人服や大きな音を出す職種もあり、集中力を維持するのも個人差があり、実力を出し切るのは、難しいく思いました。(幸い私の心臓には、毛が生えているのです)

(グランプリへの道・第18回技能グランプリ記録誌)より



真剣な目は一点に集中し、手が緊張し震えて・・・(毛が生えているのですが・・・)



(グランプリへの道・第18回技能グランプリ記録誌)より




焼きアイロンは、ソケットで温度調整しますから、慣れていないと焦がしてしまったり、使いたくても熱量が不足だったり、会場の設備を使いこなすのも、時間ロスと出来栄えに大きく差がでます。



  (グランプリへの道・第18回技能グランプリ記録誌)より




ミシンも、普段とは違う卓上式です。使い慣れない設備も、条件は平等です。

(先日の、競技会場の下見で、作業机・人台・アイロン・ミシンなど、セットになった場所が、抽選で決められます)



 (グランプリへの道・第18回技能グランプリ記録誌)より


競技に挑む誰もの心は、栄冠を掴む事です。



 (グランプリへの道・第18回技能グランプリ記録誌)より


私の胸元を、見て頂けたでしょうか。(ミシン作業は、私です)



私は、競技期間中、ネクタイを締めました。

2日間の競技時間をネクタイの色分けで、気持ちを区別して挑みました。

初日は、緊張せずに穏やかに落ち着いて・・・(小柄のブルー)

今日は、情熱を持って仕上げるぞ!・・・(大柄の赤)



そして、競技時間の、作業スケジュールを細かく記録しました。(普段の作業時間を分析し作業スケジュールをつくりました)(たとえば、衿穴20分・2.5cm穴7分)



身返し据え・返し・脇入れ・肩入れ・地衿・上衿・マトメ・袖付け・仕上げと、自分の、作業スケジュールは決めていました。



当日は、普段の作業時間より、競技作業が早く進みました。予定時間より、1時間早く仕上がりました。その差は、段取りの差と思います。







普段の仕事も、段取り次第で早くなる事を学びました。



人と競う事、人に見られる事で、自分が成長出来る事を学びました。



しかし、結果を出す事は、決して人との競争ではなく、自分を出しきった人だけが、栄冠を掴む事も知りました。



今、緊張と興奮を、冷静に落ち着かせて・・・競技会が、リアルタイムで行われています。



「 競技に挑む全ての人に栄冠あれ、全ての人が自分の技能を出し切ってください」と、願っています。