正しい選択

大阪の14日の朝は、良い天気でした。



最寄駅までの道で、見あげた空です。



線路横の土手には、見苦しいシートが、かけられています。昨年春の出来事でした。


この地へ引っ越してきた20年前は、雑木林と、草木が茂っていました。


春には、つくし・タンポポ・蕗が芽を出し、日陰には、つゆ草が可憐な花をつけていました。


夏には、暑い日差しも、木の緑と、これでもかと鳴き合うクマ蝉に元気をもらって、通勤しました。


秋には、山柿や野性の木が、沢山の実をつけました。

冬には、椿の花が蜜を溜め、メジロも楽しそうに花の中へ頭を入れ蜜を吸い、頭が花粉で黄色くなっていました。



数年前に手前半分の雑木林は、伐採され、いつの頃からか、除草剤が撒かれるようになりました。

でも、伐採された木の根元から芽を出し、夏には葉が茂り、クマ蝉が鳴き合いました。

人間の容赦ない自然への抵抗と、野性の命との戦いのように感じました。



いくら刈っても、芽を吹き出す野性の生命力には、致命的な分厚いシートが覆われました。



昨年の夏は、シートからは草木の芽を出す事も無く、クマ蝉の音は、極端に少なくなりました。



数年前までは除草剤が撒かれる事も無く、数人の作業員が、春秋になると雑木林の枝を払い、土手の草を刈り上げていました。その人件費がカットされ、草木の命もカットされました。





民家横の土手の草木も、枯れています。

人の手間を減らすために、除草剤が撒かれたために枯れ果てた草木です。





しかし、枯れ果てた根元から、緑の草が芽を出しています。



私が、通勤で通りかかると、金網に、緑の小鳥がピョンピョン飛び跳ねました。



枯れ枝にも、数匹のメジロが、ピョンピョン!





でも、今は、椿の蜜は、ありません。






人件費カット、野性の生命カット・・・



本当に、正しい選択でしょうか・・・



15日の、大阪の空からは、冷雨が落ちています。