技能グランプリの仮縫い

私は、技術の勉強をしてきたことが、間違っていたとは、思えません。

しかし、正しかったとも思いません。

技術の良さが、付加価値として、お客様に伝わったでしょうか。

伝わったとも、思えません。

「良いものを安く」　が、時代の流れです。

良くても安いと、「安い技術」　なのです。

良いものは、高く売ることが「道理」と思うのです。

ただ、技術の勉強をしても　「付加価値」「魅力」　に結びつくとは、考えられません。

しかし、プロデュース的な、全体が見える立場の人が、私たちの技術を活かしてくれるなら、付加価値にも魅力にもなる、日本技術はあると思うのです。



良いものを目指す職人、良いものを着たい人のために・・・

私のアルバムを公開します。



技能グランプリへの挑戦も、技術研鑽でした。

挑戦する者は、同じサイズの人台に、同じデザイン・表生地・裏付属に、寸法の指定があります。

技能グランプリは、同じ形の服から、優劣を付けるのです。

それが、「人」の技だと、思うのです。

人の手で作られるモノには、気持ちが入ります。

私たちの努力が、ここで終わっていたのです。

アトリエも持たない洋服職人が、技能グランプリに挑戦しました。

これからの、技術者は、技術を夢に変えられる人材であると思います。