小林一三氏

人には、得手不得手があります。

指の痛みに耐えながら、不得手の部屋の整理を試みますが、能力には限界があるようです。
限界を超える努力は、身に付かないだけでなく、いつの間にか体の無理があとから祟ります。
指に体重が乗っていて 「痛〜い」 のです。

こんな本が、目に入いました。



昭和二十六年に 発行された、 「仕事の世界」 小林一三・中野友礼・五島慶太 (春秋社)
                                              定価一九○円 

私が生まれた昭和26年に発行されていますから、60年前の本です。

いつの間にか、指の痛みを忘れて、小林一三氏のページを読んでいました。

今の時代も、敗戦後の日本の状況と似ているように思います。

震災・原発の災難があった上に、経済界の先頭に立っているソニーパナソニックの赤字が3000億とか5000億と聞きました。

ソニーが1万人のリストラとか聞くと、恐ろしくなります。

テレビで、ソニー平井一夫社長に、これからの展望を聞かれて 「奇策はない」「マーケットを意識する」 的なことを言っていました。

サムソンに負けない工夫は、やはり「良いものを安く」しか無いのでしょうか。

60年前の小林一三氏の、お言葉です。

マチスの絵」(127ページ)
マチス絵はごく簡単な表現で描写した立派なものであるけれども、あそこまで行くには、写生をし尽くして、その絵の持つ魂をパッとそこへ表現しているのだ。これはちょうど天才の子供の自由画と同じことである。

ここまでコピーしても意図は読めませんが、秀才に完全な絵は描けるが、天才的な絵は描けないことを述べていました。
小林一三氏は、「われわれは・・・子供のパッとしたような自由画をかくので、一足飛びにマチスの絵が描ける」といっています。

マチスの絵のようの、直感的に事業の先を見透して、そして物ををつかみ出す人でなければいかん。」とも。

戦後、マチスのような絵を描いたのは、松下幸之助井深大盛田昭夫・・・・・だったのでしょうね。

平井一夫ソニー社長・橋下徹大阪市長をはじめとして、経済界・政界で、マチスの絵を描いてほしいです。

当然、○○の絵が、好き嫌いで受け止めらるか、「りっぱな絵」として世に認められるかは、時代を見越した○○が居るのでしょうね。

戦後の物(アナログ)と、現代の物(デジタル)の変化は、60年の時間を痛感します。
ただ、人間(精神)は何時の世も同じと思います。

若者は、情熱を持って夢を語ります。壁にブチ当たり悩みます。
年老いると、後の心配をするのです。

石原慎太郎都知事橋下徹大阪市長が、マチスの絵を描いているように思いました。

「いいものを安く」だけが、日本流のマーケットでは無いと思うのですが・・・

時代・時代に偉い人がいますね。



私の部屋は整理できませんでしたが、年老いるわけにはいきません。