時間と経験が必要です。

 私は、スピード感を持った大阪維新の会橋下徹大阪市長の改革を、支持します。
 今日の毎日新聞に、気になる記事がありました。
文楽・大阪に特別な意味」と題して、キーンさん「ショック」とありました。
 私も、「ショック」です。

 私は、一昨年「マイスター」の資格をいただくために、東京へ講習を受けに行きました。講習の一日目は、技能について大学教授の講演がありました。二日目は、グループに別れ参加者同士で「後継者育成について」と題しての、ディスカッションがありました。大変熱い議論が出来ました。私を除けば業界でトップクラスの匠の集団の討論となりました。
 参加者全員一致だった「後継者育成」とは、「言うは易し、行うは難し」と言うことでした。「後継者育成」には、「時間」と「お金」が、必要ということです。国は、後継者のための予算を削減しています。近頃は、匠であっても仕事が少ないと言っていました。
 つまり、今の日本の現状で「後継者育成」は、出来ないというのが結論です。
そんな中で、技能士会として、いろんな試みがされている発表もありました。技能者同士の交流会をやったり技能フェアーを催したり努力されていることは、後継者育成の一つでしょう。
 私も持論を大いに述べました。(私)「国・自治体・団体そして個人は、それぞれの役割があるはず」「私は、ものづくりをアピールする方法として、ホームページを活用しています」「団体としては、自治体や国へ役割を明確に示し、後継者育成に力を貸していただくよう進言してください」「後継者は国の宝です」と、ディスカッションで申し上げました。纏めの発表でホームページの事は、採り上げていただきました。
http://www.takuminowaza.net/meister/

 物が溢れる時代に、ものづくりでは生活ができません。値段の差や表面の飾りで、競争するならば、匠の仕事も流れ作業に勝つことは出来ません。今の時代に技能が評価されないならば、匠は消えるでしょう。匠の人がいる間に技能をアピールすべきです。手段を講じるべきです。流れ作業の製品のメリット・デメリット、長い時間を費やして仕上がる匠の製品のメリット・デメリットを知った上で消費者が選ぶなら、決して匠が滅びるとは思えません。「売れる品が良い品」は切り離せませんが、「ものづくり」の心を製品に伝えるのは人そのものです。技能が分かるには、消費者も職人も時間と経験が必要なのです。



 (今朝の新聞記事)
 橋下徹大阪市長大阪府知事時代に「二度と見ることはない」(文楽)といったことには、「芸術はすぐ分かるものではないのです。すぐ分かる人形芝居は子供向けのもの。文楽は洗練された芸術です。300年以上前からあり、世界的にも認められています」と静かな口調ながら力説。「オペラも初めて見ると退屈です。しかしあらゆる国で歌劇場が造られています。それを欲しがる人はいます。そういう人たちを無視する理由は無いんです」と話した。
 日本文学研究者で08年に文化勲章受賞、今月8日には念願の日本国籍を取得したコロンビア大学名誉教授、ドナルド・キーンさん(89)が、インタビューに答えた記事です。

 芸術も技能も、分かっていただくための努力が、一つの後継者育成だと思います。

一昨年、東京帰りに・・・


雲の向こうに富士山が望めました。