糸を読む。
生地の複雑な表情も基をたどれば、糸に返ります。
色・柄・手触り・・・生地の表情は、1本の糸から始まります。
糸のブレンドが生地の品質に大きく関わります。
私はよく経糸・横糸を解き、縒りのきつさや甘さ・伸びの強弱を見て触ります。
(経糸を星止めに使う事もあります)
糸の縒りがきつい生地は、硬くて張りがあります。収縮は少ないです。皺にもなりにくい。
縒りの緩い生地は甘い生地、手触りがとても良いです。(デリケートです)
モヘア・カシミア・シルク・麻・綿・・・違った素材が入ると、品質の魅力倍増です。
少し問題が・・・生地の品質も用途でしょうね。(仕立て職人としては)
シルクカシミアの手触り最高!(とろけそうな)の生地・・・エレガントにシンプルに最高の場所で、ただ一度だけ着て欲しい!イメージが膨らみます。(仕立て職人としては)
しかし・・・ポケットも沢〜〜山 「ピリが出ないようしっかり縫ってねッ」が、お客様の
ご要望でした。 ・・・。
薄い生地もゴツイ生地も 「糸」 に返ります。 糸を読めば仕立ても楽に良い仕事が出来ます。
販売も生地の表情をアピールする前に、糸の特徴を読んでいただけるなら、服の用途も加えセールストークも楽しめると思います。
「物言わぬ」生地(糸)は、多くの楽しみを秘めています。