両輪

私は、ムリ・ムダ・ムラを省いた能率生産と、カン・クセ・コツの技能生産が両輪となれば、それぞれの後継者育成に繋がると信じています。




無能が勉強して、再度文章を提出します。




第28回技能グランプリ(2月20日〜23日まで、幕張メッセで開催されます)で、中央に集まる皆さんが、問うてほしいのです。




小さい業種と言われるのは、悔しいですが、分析すると見えてきます。(危うい業種は・・・)(声を上げましょう!)




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○○○様へ

1月22日の、大技連新年互礼会では、お世話になりました。○○○大阪府職業能力開発協会事務局長・○○○大技連会長へ、後継者育成そして、1・2級技能検定復帰への想いをお伝え出来た事は、大変有り難い事でした。大阪府職業能力開発協会の皆様、大技連の皆様、大阪洋服技能士会仲間の応援が有っての事と、心から感謝いたします。




その折にお渡ししたプリントは、後継者育成と技能検定について、紳士服業界に問う内容の文章です。全服連から検定試験に関してのご説明をいただきました。中央職業能力開発協会より、1・2級技能検定試験は、経費削減のため、「受験者人数枠」を設け、30人の参加者を達成できない職種から、廃止してゆくと説明を受けたとの事でした。どんなに説得しても聞き入れて頂けないので、これからは、後継者育成として、社内検定制度を検討するとの事でした。「社内検定認定制度のあらまし」を読むと、紳士服一人縫い技術者の技能が、社内検定制度にそぐわない事は、一目瞭然です。




(第1章・社内検定制度の意義)「個別企業において技術革新の著しい先端的な技能もしくは社内の作業工程上特有な技能又は流れ作業、組立作業にかかる技能等、技能検定制度ではカバーしきれない職域に従事する人々の能力評価をするため。」と、社内検定制度の主旨が示されています。(第2章・社内検定認定制度の概要)「企業の特殊性が加味されるために国家検定である技能検定として全国斉一的に実施できないもののうち、技能振興上奨励すべきものを社内検定認定規定に基づき、創設された」と“社内検定認定制度のあらまし“には、記されています。




JABADA(中央職業能力開発協会)の、ホームページには、「技能検定は、技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づき実施されています。技能検定は昭和34年に実施されて以来、年々内容の充実を図り、平成25年4月現在114職種について実施されています。技能検定の合格者は平成23年度までに359万人を超え、確かな技能の証として各職種において高く評価されています。」(技能検定制度とは・技能検定の概要)と、公開されています。




「指定試験機関制度」が、平成14年に施行されて以来、技能検定受験申請者数・技能検定合格者数共に、大きく伸びています。




JABADAの「高く評価されています。」は、数字を見る限り、数字の目的は達成していると思います。




しかし、114職種のうち、技能検定試験の休止・廃止の宣告を受けている職種は、何職種があるのでしょうか。




(中央協会の目的)第52条 中央職業能力開発協会は、職業能力の開発及び向上の促進の基本理念の具現に資するため、都道府県職業能力開発協会の健全な発展を図るとともに、国及び都道府県と密接な連携の下に第5条第1項に規定する職業能力の開発の促進を図ることを目的とする。第6条 厚生労働大臣は、職業能力開発基本計画を的確に実施するために必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見を聴いて、関係事業主の団体に対し、職業訓練の実施その他関係労働者に係る職業能力の開発及び向上を促進するための措置の実施に関して必要な勧告をすることができる。(職業能力開発促進の基本理念)第3条 労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるようにすることが、職業の安定及び労働者の地位の向上のために不可欠であるとともに、経済及び社会の発展の基礎をなすものであることにかんがみ、この法律の規定による職業能力の開発及び向上の促進は、産業構造の変化、技術の進歩その他の経済的環境の変化による業務の内容の変化に対する労働者の適応性を増大させ、及び転職に当たつての円滑な再就職に資するよう、労働者の職業生活設計に配慮しつつ、その職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に行われることを基本理念とする。第3条の2 労働者の自発的な職業能力の開発及び向上の促進は、前条の基本理念に従い、職業生活設計に即して、必要な職業訓練及び職業に関する教育訓練を受ける機会が確保され、並びに必要な実務の経験がなされ、並びにこれらにより習得された職業に必要な技能及びこれに関する知識の適正な評価を行うことによつて図られなければならない。




JABADAの、頑なな「人数枠」主張も、「社内検定制度に、切り替えます」という全服連も、東京と大企業で国を支えていると錯覚している中央の考え方です。「大は小を兼ねる」数字に、洗脳されているに過ぎません。




職業能力開発促進法には、技能検定試験について、どこにも職種差別は、記されておりませんでした。経費削減のためと称して、衰退する職種を排除する「人数枠」は、どこにも記されておりませんでした。




ムリ・ムダ・ムラを省いた能率生産と違い、カン・クセ・コツで身につける技能生産は、まさしく人間づくりの世界です。少数人数の職種であっても、日本を支える立派な仕事です。




能率生産と技能生産は、「社内検定認定制度」と「技能検定制度」の素晴らしい制度に分けられていました。




「職業に必要な労働者の能力を開発し、及び向上させることを促進し、もつて、職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。」 と、あるように、職業能力開発促進法を基に、後継者育成の一環としての技能検定制度が、経済及び社会の発展に寄与する若者の後ろ盾となるよう、みんなで考え協力すべき時だと思います。




「後継者育成には、お金と時間が必要だ」どんな職種からも聞こえてくる言葉です。後継者育成には、ご苦労されていると思います。若者自身も、趣味ではなく仕事として生きてゆく努力は、並大抵な事ではありません。好きで入った紳士服業界から、生活できないために転職した若者が何人いるでしょうか。苦労して身に付けた技能を、「1・2級技能検定試験に挑戦し、技能の証にしたい!」と、前向きに挑戦する若者達の想いは、みんなで支え育て応援すべきだと思います。




とはいえ、中央のご協力がない限り、事は運びません。一個人では、何をどうすれば、若者達の想いを叶えてあげられるのか分かりません。想いを振り回しても、解決にはなりません。




若者達の想いを叶えるための、お知恵をお貸しください。現在114職種の現場から、一人でも参加希望がある職種には、全員が挑戦できる機会を、お与えください。プロとして生きてゆく若者達には、後ろ盾が必要です。




技術立国・日本を取り戻す為には、若者達の熱いパワーが必要です。感性と未来のある若者達に、夢と希望を託したくお願い申し上げます。




どうか、よろしくお願い致します。




平成27年2月吉日

      大阪洋服同志会会長・大阪洋服技能士会会員   杉山一郎 







・・・そして・・・










大阪府技能士会連合会会長 ○○○様




 お世話になっております。大阪府技能士会連合会の皆様には、応援をいただき心から感謝いたします。




具体的なお話をお聞きしたいと思っていましたが、技能グランプリも迫っており、お時間を頂くのも、近々には無理なお願いと思いますので、再度、文章をつくりました。




専従される方々には、職業能力開発促進法は、分かり切った事かと思いますが、不勉強な私にとっては、矛盾を感じてしまいます。JABADAの方に「人数枠を達成出来ずに休止が続くと、廃止になる。」「紳士服製造の復帰は、考えていない」と、告げられた若い技術者は、4年前から1級技能検定受験を懇願しています。




「経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。」一人でも多くの若者を、丁寧に育て上げるプロの一人でありたいと、思います。




技能グランプリも、プロの競技会です。プロの育成は、技能検定試験から始まります。




受験者人数枠を廃止いただき、一人でも参加希望のある職種には、みんなで応援出来る環境にしていただけないでしょうか。経費削減も、知恵と工夫で試験実施が出来ないものでしょうか。




少数職種も、1・2級技能検定試験に参加できますよう、中央の皆様そして他業種の皆様に、ご協力を呼び掛けて頂けないでしょうか。




若者達は、国の宝です。若者達には、「技能の証」後ろ盾が必要です。




どうか、よろしくお願いいたします。







平成27年2月吉日

      大阪洋服同志会会長・大阪洋服技能士会会員   杉山一郎

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私は、頭が痛くなりました。私には、どうにも出来ないからです。




ただただ、訴えるだけです。 ムリ・ムダ・ムラを省いた能率生産の技術者は「社内検定認定制度」、カン・クセ・コツで身につける技能生産の技術者は「技能検定制度」と職業能力開発促進法に定められています。




紳士服業界も、両輪となり得ます。