お客様!「大切な一着」と言うお言葉を、大切にします。

http://blogs.yahoo.co.jp/arutizan2010/10618736.html

お直しを、二点完成させました。

まずは、袖口の、ビフォー・アフターです。
心を込めて、お直ししました。

セッパは、くっきり、足が揃っています。
ボタンは、タテに糸が渡っています。
これは、イタリアの感性です。
この感性を壊さずに、私流で、完成させます。


ブリオーニの穴を意識して、いつもより細かいセッパにしました。
ボタン付けの糸は、横に渡しました。
これは、私の感性です。


お直しで大切な順番は、第一に、疵(きず)をつけない。第二に指定の寸法(-4cm)にする。そして、ブランドのイメージを壊さない。

ブリオーニ、ボックス・コートの、袖丈ツメ完成です。


ブリオーニ・ボックス・コートを久しぶりに手にした時、以前と少し違うと感じました。
あっさり、縫っていると思いました。

以前のブリオーニは、味がありました。ハ刺し・肩・ボディー・袖、それぞれに、手縫いの味がありました。

柔らかくて、ボリュームのある縫製でした。

今回、手にした、ブリオーニのコートは、あっさりすっきり、綺麗なシルエットのボックスコートに、仕上がっていました。

どちらも、本物のブリオーニ・コートです。

お客様から、「大切なコート」と、言っていただけるのですから・・・



もう一つ・・・お直しが続きました。

大切な、JKだからと、お預かりしました。

ポケットのパンクです。
ミシン糸も切れていないし、適量の縫い代もあります。
前ダーツから細腹の縫い目まで、抜けています。
どうすれば、このようなパンクになるのでしょうか?

生地のタテ糸は切れていないので、タテ糸に接着布を貼り補強して、深く縫い込むしか、直す方法は、ありません。
問題は、上手く地縫いが出来るだろうか・・・

(パンク状態です)


まずは、丁寧に解きます。
解いた後は、袋地・口布・力布、補強した縫い代を合わせ、ミシンで縫います。
なんとか地縫いをして、鉄マンの底でしっかり割ります。
もう一度、割った縫い代に、接着布で補強します。
表からのミシンは、落としでは無く、パンクした所を押さえる意味で、飾りミシンにしました。
これが、私の、精一杯の、お直しです。


お客様に「大切な一着」と言っていただくのは、技術だけではなく、サービスだけでもない、「魅力」と言う魔物です。

「魅力」を、求め日々研鑽です。