団体の活動も「職人の庭」です。

2011年5月31日(火)大阪洋服技能士会21回通常総会 技能士会の平均年齢は70歳を越えているのではないでしょうか。
私は昭和26年産まれ、8月になれば還暦を迎える歳になっても、「杉山君は若い」と言われます。

「後継者がいない」とよく耳にします。

私の見方は接触が無い、つまりコミュニケーションが無い(年齢のギャップ)のが、一番問題ではないかと思っています。

紳士服飾業界には、前途有望な若者が沢山います。

私達も後継者育成について、熱く語り合います。

技能についても、熱く熱く語ります。

80歳代のA先輩 「私(ワシ)な〜 いつも製図のこと考えるねん。」「今まで良いと思っていても、イヤイヤ?疑問湧いてくるねん」「そしたら、その製図クシャクシャッ  ゴミ箱や」

私 「○○さんは青春ですね! 」「技術の向上心は衰えませんね!」「その技術 若者に伝えたいですね」

A先輩 「教えて欲しいと尋ねてくれる人もいたけど、お断りしたよ」「若者が業界で
食って行く意思があるのか、分からんかった」

後継者育成と一言で言っても、教える側も教えられる側にも大きな負担が必要です。
私たちはプロとして長年経験を積んできました(生きてきました)。
ある時は、血が逆流するような思いの失敗は一度や二度ではありません。
偉い人達は「想定外」と無責任な言い訳ができます(大変なことです)。

末端には出来ません。

失敗を重ね歳を重ね、私たち洋服職人は生きてきました。(消えようとしています)

「同じ人生は若者には歩かせたくない」それが良心のある職人の「お断り」と
思います。

私はMさんと「仕立て屋入門」を進めています。

私たちの想いは(否定的)あっても、若者には熱いエネルギーがあります。
新しい道を開くのは若者です。
イタリアでもないイギリスでもない、先輩譲りの「日本の技能・感性」で世界にアタック
して欲しいです。


若い人たちは、現存業界団体にも興味を持っていただきプロとして発言・行動することで共に発展したいものです。

技能と同じく現存団体には社会からの信用があります。
これも先輩達が長年のお付き合いで持ちえた信用です。

「技能」「信用」共に財産です。
若い人も「財産」を活かす努力をして欲しいです。

私は私に出来る手段で尽くします。

アイエスのブログ「仕立て屋入門」も後継者育成を願って始めました。
それぞれが、それぞれに出来る事を行使することが、第一歩になると信じます。


A先輩そして先輩の皆さん、百歳 百二十歳まで生きて私たちの行いに目を光らせてください。

(写真は、技能士会・関根会長です)