シンプル・イズ・ベスト

「お台場」

必要でしょうか?
つくる側としては、必要がありません。
着る人が、必要なのでしょうか。

「必要」というよりも「美的感覚」が、主な要望でしょうか。
自分の服には「お台場」は作らないのですが、試みる機会があり、作りました。


お台場の見返しを、つくってみました。


1999年12月に英国フェアーが、ありました。
サビルローからカッターが招かれました。
英国カッター「英国では、今も90パーセントが裏地は最後につけています」(オーダー)
というのです。
裏地をつける専門の職人さんが、いると言うのです。
「何故か?」と聞くよりも、試してみようと思いました。
最後に裏地をつけるなんて、そんなに手間のかかることを、「何故?」

裏地を最後につけるメリットは、英国では三度以上の仮縫いを行うと聞きます。
三度の仮縫いに裏地は無いほうが便利と思いました。
見返しには、先にポケットを作らないといけません。
ここでお台場が必要になります。

自分の服は、お試し服ですから研究材料ですが、「ものづくり」の醍醐味が味わえます。

「おいしかった」結論を、二つ!
三度の仮縫いをしないのなら、
裏地の後づけも、お台場も、必要がないだろうと思いました。
逆に、ところ変われば、見返しを必要とする「ものづくり」工程も、あるのだと思いました。

お台場をつけると、裏地取替え時に便利とも聞きますが、裏地はポケットから痛んできます。ポケットも取り替えますからそれはありません。

必要からパーツは工夫されたものと、思いますが、今は装飾の一部になりました。

洋服職人は「シンプル・イズ・ベスト」が「ものづくり」の醍醐味です。