芯は表の支えです。

「動く芯」
動く芯をテーマに講習会をやりました。

私の説明は、いつもの芯と違いを 「比べて欲しい」 そしたら分かると思っています。


でも説明不足ですよね。 動く芯 といってもどのように動くのかは、もう少し説明が必要かと思います。

基本的に芯は表の支えです。

ジャケットが、どのように動くと 「楽で、シルエットが美しいか」 が、縫製仕事の目的です。その妨げにならないのが、芯の役目だと思います。

「動く芯」とは 「ジャケットの動きに添う」 ことですが、ジャケットはどのように動くのかも知るべきです。


「バネ」 も芯の役目です。

表に張りを持たせます。胸の高さ、ラペルの自然なカール、ウエストからヒップへの
シルエットは、芯が立体的に支えています。

このジャケットは仕事で昨日仕上げた服です。(まだボタンは付けていません)

右横から


バックです。

ドミニク・フランスのカシミア100パーセントの柔らかい生地です。

伸ばせば伸びる生地です。

しかし、カシミアでも経地がズルズルと伸びるものではありません。

芯をしっかり溜めて 「締めて締めて」 仕立てます。

返り線・ミツ・肩線・前丈背丈・袖丈・OW、寸法はキープします。

ピリの無い立体的なシルエットのジャケットが、仕上がります。

分かりやすい説明をするのは難しいです。

「仕上がりのイメージを持つ」ことです。

そして、意味を考えることです。

全てに意味があります。